映画「エクレール・お菓子放浪記」

掛川に住んでいると浜松か静岡あたりまで行かないと映画を見ることが出来なかった。数年前に磐田にららぽーとという大型のショッピングモールがオープンし、その中にシネマコンプレックスが出来たので多少は改善されたが、それでもよほど話題になる映画でもなければ見に出掛けようという気も起きない。たまに市内の文化会館などで少し前の映画を上映する時があり、退職後は時間もあるので見に出掛ける機会も出て来た。
そんな中「エクレール・お菓子放浪記」という映画を掛川で上映しようという実行委員会が結成され、僕が今活動している東日本大震災支援掛川市民の会も参加することになった。
この映画は静岡市在住の作家・西村滋の原作を基に宮城県石巻市などで撮影ロケが行なわれ、3月12日に封切され全国でロードショーとなるはずであった。しかし前日3月11日の大地震でそれが中止となってしまったといういわくつきの映画である。
震災からしばらくして、震災前の石巻の街並みや北上川の風景などが写っていること、戦中・戦後の混乱期を力強く生き抜いた孤児の物語が今回の震災で何もかも失った子供たちと重なって見えることなどから、震災復興支援として取り上げられて日の目を見ることとなった。静岡県では原作者・西村滋の地元ということもあり、テレビ静岡が後援することも相まって各地で上映会が行われている。
掛川では、11月23日に文化会館シオーネで、11月30日に生涯学習センターで上映することになり、前売りチケットの販売や上映日のチケットもぎりや会場案内などを実行委員会で運営することになった。僕もメンバーの一人として会場係を担当することになった。

23日の上映は掛川市南部(旧大東町)にある文化会館「シオーネ」で行われ、僕は会場係として客席で入口に座っていた。会場係といっても何か不測の事態が起きなければ仕事もなく、上映中はパイプ椅子に座ってスクリーンをじっくり見ることが出来た。
映画は震災復興支援ということを抜きにして見ても素晴らしい作品に仕上がっていて、涙なしに見ることが出来ないくらいに感動させられた。エンディングのキャストのスクロールになっても席を立つ人は一人もなく、画面が全て暗くなった途端に拍手が湧き上がる映画は僕自身初めての経験であった。
少年を取り巻く大人たちは昭和の時代の思いやりと優しさの詰まった人ばかりで、現在の日本人が失ってしまった何かを思い起こさせてくれる。
それ共に主人公の透き通って響くボーイソプラノにも魅せられた。男は中学生くらいの頃に声変わりを迎えるが、誰しも「天使の歌声」を持っていた頃があったのだと改めて思い起こされた。
ただ残念なのはエピローグはいらなかったような。。。

明30日14:30からと18:30から掛川生涯学習センターで2回の上映が残っている。

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23日の上映前に原作者・西村滋の舞台あいさつがあった

映画の詳細については、公式ホームページをご覧ください。