1969年4月17日

今日関東地方に雪が降った。41年ぶりの観測史上最も遅い降雪だという。この季節にしては異常な寒さだとニュースが報じていた。
41年前のことは、4月17日という日にちも含めて今でもよく覚えている。
僕はこの年、神奈川県鎌倉市大船にある大手電機メーカーに就職した。この年の春の訪れはけして遅くはなかった。出身地の新潟県では3月の初旬の卒業式の時には完全に雪は消えていたし、上京した3月30日は雨だったが、3月31日は満開の桜が咲いている中翌日の入社式の段取り説明があり始めて会社の門をくぐった。
当時は高度成長期の真っ只中であり、電機関連の組合の力も強くて春闘などでよくストライキがあったのだが、まさに4月17日はそのストライキ決行の日だった。でも僕たち新入研修生は入社後3ヶ月しないと組合員にはなれず、会社のほとんどの人がストライキで出社しない中、人っ気のない会社で抜き打ちのの学科試験に挑んでいた。
まあ試験といっても、今考えれば時間つぶしにやることもないから試験でも与えておけ程度の、教官にとっては安易な気持ちのものだったのだと思う。でも新入生にとっては抜き打ち試験はドキドキものであったことは確かである。
さすがに午前中の4時間は試験に集中できだが、午後になるともうすっかり飽きてしまって、体育館に移動してチーム対抗でバレーボールをやった。
モノクロの雪景色とともにこの日のことは今でも忘れらることのない鮮烈な出来事であった。