金沢(12月29日)②

カニをバスの集合時間ぎりぎりまで目いっぱい食べた後、今度は年末の生鮮食品買出しで賑わう「近江市場」に向かう。
金沢の市場では食文化の違いを目の当たりにした。僕は新潟生まれで、なおかつ父の実家が魚屋だった。新潟の年末には助宗鱈や蒸蛸の足を多く扱っていたし、特に年越し魚といえば新巻き鮭である。静岡に移り住んでからも年末には毎年インターネットで北海道から新巻き鮭を取り寄せている。しかし今年は年末に金沢の近江市場に行くことにしていたから、そこで調達するつもりでインターネットでは注文しなかった。
ところが冬の金沢、北陸では寒鰤がメインなのである。一匹数万円の丸々とした寒鰤が店先に並んでいた。次がカニである。隣の福井県の越前ガニがズワイガニの総称になるくらいブランド名として山陰地方の松葉ガニと並んで有名であるが、ここ石川県でも最近、昔の国名である加賀と能登を合わせて「加能ガニ」として商標登録をして価値を高めることに努めている。
また魚介類だけにとどまらず野菜類にも違いを感じる。金沢は小京都といわれており、地理的にも宗遠くはない京都の文化を受け継ぐ町である。そのせいか蕪だか大根だか判別しにくい根菜が並び、中でも「能登むすめ」といわれる薄紫の小振りの大根には雅さを感じた。

近江市場でやっと新巻き鮭を見つけて1尾購入。他に有頭エビやユリ根、泥付きのレンコンなどを買って、帰りに手荷物預けができるように段ボール箱を貰い梱包した。カニなどの高級品を買った人たちは手に下げることが出来る発泡スチロールでバスに戻ってきた。大きさからして鰤を1尾丸ごと持ち帰った人はいなかったようである。

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近江市場には出入り口が多く、ここは買物通り口             歳末ということで大混雑

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一尾19,500円の鰤

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蛸島とか能登とかの青いタグを付けた「加能ガニ」(ズワイガニ

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毒々しい色をした酢蛸

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「お客さん、安くしておくよ!」            エビや干物などの小物もとぶように売れる

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八百屋の店先にはエビ芋やレンコンなどが並ぶ        手前の薄紫の大根が「能登むすめ」

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A4サイズほどの大きな油揚げもあった                     紅白の重ね餅

近江市場の次は、金沢の代表的な観光地「兼六園」である。水戸の「階楽園」、岡山の「後楽園」と並ぶ日本三大名園のひとつである。加賀百万石・前田家の権勢がしのばれる。
園内をガイド付きで30分ほど掛けて廻り、ポイント・ポイントで由来やエピソードを聞いた。

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徽軫(ことじ)灯籠と虹橋の案内板                 兼六園のシンボル・徽軫灯籠

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霞ヶ池のほとりに立つ徽軫灯籠と手前が虹橋

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雪吊りを施した霞ヶ池にかかる老松

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明治記念之標 中央に建つのは日本武尊ヤマトタケルノミコト)の像

兼六園を出た後は、北陸自動車道を通り小松空港に向かった。
小松空港18:20発のFDA106便は、小松を発つとあっという間に富士山静岡空港に到着した。定刻よりも10分以上も早く、たった35分程度のフライトであった。

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小松空港のFDAチェックインカウンター    静岡空港到着 帰りもライトブルーの機体であった