奈良①・興福寺 11月15日

例年この時期になると紅葉見物に出かけている。
去年は北陸から白山スーパー林道を抜けて白川郷に、一昨年は京都・南禅寺から紅葉で有名な永観堂に寄り哲学の道銀閣寺へ抜けた。
今年は、高校の修学旅行以来40年振りに奈良に行ってみた。修学旅行で行ったのが11月半ば、布施明の歌に「斑鳩を旅するのなら夏よりも秋がいい、あなたの言ってた通りです...」というのもあり、東大寺の大仏と薬師寺の東塔さらに「柿食えば...」の法隆寺に、いつか行くならばこの季節が良いとずっと思っていた。
新幹線で京都まで行き、JR奈良線に乗り換えて奈良まで。奈良~京都は「みやこ路快速」で43分である。1日目は薬師寺近くの民宿「山代屋」に予約を入れていたので、興福寺東大寺春日大社となら公園内を巡った後でバスで薬師寺まで行くつもりでいた。そのためJR奈良駅よりは近鉄奈良駅の方がバスを捕まえるのに便利と思い、着替えなどの入ったバッグを近鉄奈良駅のコインロッカーに預け、寺巡りを始めた。

先ずは五重塔で有名な興福寺。境内に入ると「国宝特別公開」の文字が目に入ってきた。特別公開とか期間限定のご開帳とかいう言葉には、この機を逃すと2度と見ることができないというような響きがあり、多少高い拝観料を払っても見ておかなければならないという心理を突いた寺側の思惑が見えるのだが、千円を払って見てみることにした。
興福寺の「国宝特別公開」では、先ず南円堂に入り国宝の不空件策羂(ふくうけんさく)観音菩薩坐像とこれもまた国宝の木造四天王像を見る。広目天多聞天増長天持国天の4体どれもが力強さが満ちていた。次は五重塔の初層に入ることができ、そこに祀られている薬師如来・釈迦如来阿弥陀如来そして弥勒如来の各三尊像(如来像と両脇の菩薩像)を拝見した。さらに隣の東金堂に安置されている重要文化財薬師如来坐像と両脇の日光菩薩月光菩薩を拝見した。
興福寺五重塔に次いで有名なのが国宝「阿修羅像」である。この像は境内の国宝館に展示されている。国宝館は東金堂の隣の建物なのだが、何を勘違いしたか入口を探して建物を3/4周もしてしまった。ここは常設の展示場で、通常は入館料が500円なのだが「国宝特別公開」を見た人は団体料金の400円で入館できた。三つの顔と6本の華奢な腕を持つ阿修羅の像の前に立つと、その姿に身震いを感じてしまった。

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興福寺・南円堂

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興福寺・左が東金堂、右が有名な五重塔


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興福寺境内で見かけた、せんとくん