ヘンミィの墓

掛川市仁藤町の天然寺には、約二百年前この地で亡くなったオランダ人ヘンミィの墓がある。
江戸時代鎖国政策を取っていた日本にとって、西洋の国の中で唯一国交があったのがオランダである。ヘンミィは今でいえば親善特使か総領事にあたり、将軍に拝謁するためはるばる長崎の出島から陸路江戸に行き、その帰り道に掛川の地で病に倒れ亡くなったのである。
今では旅行中に病気になることはあっても亡くなってしまうなんて事は滅多にありえないが、昔の旅では習慣も風土も違う地で病に倒れそのまま亡くなることも珍しくなかったことであろう。
とはいえ鎖国中の日本では西洋人が街道を旅すること自体が稀であり、その死は極めて特異な出来事だったと思える。ヘンミィの墓を見ると当時の日本人の情の深さが伝わってくる。

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ヘンミィの墓

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天然寺前の墓碑

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由緒書き

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近くにあった蒲公英の綿毛