男はつらいよ・寅次郎純情詩集

第18作 1976年。マドンナは京マチ子壇ふみ
先ず最初は満男の家庭訪問に来た、壇ふみ演ずる代用教員・柳生雅子に一目惚れした寅さんが、結局家庭訪問を滅茶苦茶にしてしまう。
そのことでとらやの面々とケンカしとらやを飛び出し、その後別所温泉で昔世話をした旅の一座に出会う。先生、先生と持ち上げられ宴席を設けるが、翌朝無銭飲食の罪で警察に留置される。
妹のさくらが警察まで迎えに行き、宿に飲食代を払い寅次郎をとらやに連れて帰る。そこに現れたのが、京マチ子演ずる雅子の母・綾。直前に妹のさくらから「自分の娘のような年の子に恋しちゃだめ、その母親ならば付き合っても良いけど」と言われていた寅さん、早速今度は綾さんに熱を上げてしまう。
この綾さんがお屋敷のお嬢さんだったけれど、その父親が借金をし戦争成金と政略結婚させられ雅子を産んだが、その後病気になり離縁され闘病生活をしていたという設定。
医者も見離した形でお屋敷に戻って来たのだけれど、寅さんと出会い楽しいひと時を過ごしたが、結局は息を引き取るという、悲劇に終わる。
「人間はどうして死ぬのでしょうね」という綾の問いかけに答えを返せない寅次郎と、その後とらやで食べた芋の煮っ転がしをもう一度食べたいという伝言を聞いた寅次郎が芋を大量に買い込んでくるうろたえ方が切ない作品でした。