奈良④・薬師寺 11月15日

春日大社の参道を奈良の街に向けて下り、途中最初に訪れた興福寺の境内を抜け、東向通りというアーケード街に着いた。
近鉄奈良駅のコインロッカーに戻り荷物を取り出した後、この日の宿泊は薬師寺近くの民宿「山代屋」を予約してあったので、薬師寺東口を通る法隆寺行きのバスを探したが1時間に1本しかなく、あいにく出たばかりで45分待たなければならないためタクシーで民宿まで行くことにした。ところが乗ったタクシーの運転手が道に詳しくなく、地図を見せて場所を教えても方向音痴なのか地図を東西南北くるくる回し、かなりの遠回りをして民宿近くに行っても路地を一本間違えてようやくたどり着いた感じであった。

民宿「山代屋」に着いた時にはだいぶ陽が傾いていたが、翌日が雨という予報だったこともあり、玄関先に手荷物を置いて薬師寺に向かった。薬師寺に着いたのは16時10分で17時の閉門まであまり時間が無く大急ぎで境内を回ることになってしまった。

薬師寺では710年から残る唯一の建築物、東塔の美しさに目を瞠るものがあった。40年前に修学旅行で訪れた時に、この塔の前で有名な高田好胤師(当時はまだ管主になっていなかったという記憶がある)の説明を受けたおぼろげな記憶が残る。その時の「金堂や西塔などの伽藍を再興するのでそれらを見にまた来なさい」という話と、その時目に映った澄み切った秋の青い空と寺の周りの田園風景が心の隅にずっと残っていた。それが今回の旅の宿を薬師寺近くに求めた理由かもしれない。

時間が短く、そんな感慨に浸っている間もなく伽藍を巡り、次に広い境内の北側にある玄奘三蔵院伽藍というシルクロードの奈良をつなぐ建物に行き、平山郁夫画伯の大唐西域大壁画を見た。20年前に訪れたシルクロードで見た高昌故城などの景色を思い出しながら急ぎ足で見て回った。

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薬師寺夕景

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夕陽を浴びてそびえる 最古の建築物・東塔

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1976年に再建された金堂 薬師如来日光菩薩月光菩薩の三尊を安置

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2003年に落慶した大講堂

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東塔と金堂

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東塔・金堂・西塔のシルエット

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金堂の屋根で光る鴟尾(しび)