ねんきん特別便

昨日、社会保険庁から「ねんきん特別便」が届いた。今は現役世代といわれる人達への送付が行なわれているようだが、僕自身40年近くずっと同じ職場で働いてきたつもりだったが、実際に記録を見てみると転勤や厚生年金制度の変更による会社内の事務組織変更、果ては関連会社への転籍と、意図して無くても5行の記録になってしまっていた。
転職したり、無職の時代があったりの人にとっては、さぞや煩雑であったに違いない。その記録となれば今でこそコンピューターが発達しデーター処理能力が格段に上がっているが、手書きの時代も含めこれらの業務を執り行っていた社会保険庁の職員には頭の下がる思いである。

しかしながら一方で今回の「ねんきん特別便」を眺めていて、現在の社会保険庁のお役人達の感覚はどうなっているのかな?といくつかの疑問を抱かずにはいられなかった。

先ずは、「Ⅰ・ねんきん加入記録」と「Ⅱ・ねんきん加入記録回答票」の2枚の紙が入っているのだが、Ⅰの記録を見てⅡに必要事項を記入して返信封筒に入れて投函することになるのだが、Ⅱの書式には照会番号のみが印字入力されている。しかしながらこの照会番号に関しての説明は全くないのだが、Ⅰの書式にある今回「ねんきん特別便」送付のために印刷された住所氏名の下に全く同じ数字が印字されていることから、この照会番号で個人の特定は可能なのであろう。
しかしですよ、ここでおかしいと思うのはⅡの回答票が社会保険庁に戻った後、社会保険庁の職員はいちいちこの番号をまた手入力でコンピューターに入力するのでしょうか?
今回の問題のそもそもの発端のひとつは、手書き書類のコンピューターへの転記ミスによるものだったのではなかったかと思うのです。この数字を入力する時にまたミスが発生する確率は無いのでしょうか?
民間の企業がこういうことをしなければならないとしたらバーコードなどで自動読み取りを考えますけどね。まあ、最先端の読み取り機を持っていてこの数字をダイレクトに読み取れるというならば話は別ですけどね。

それとこんなリスクも考えられませんか?一家に夫婦の分2通が届いてお互いに見比べているうちにお互いの分がすり替わってしまうことなんか...

次に驚いたのが、社会保険庁の人には今回の一連の騒動の中でご迷惑をおかけした人たちに対して、手を煩わせないで済むようにしてあげましょうというサービス精神をもっておられる方がいないようですね。なぜならば回答票に僕達の手で住所・氏名・生年月日・性別などをいちいち書き込まなければならないのですから。
民間だったら、例えば自動車保険の更新時のなんか、提出するための様式には必要事項が印刷されていて、修正したい時だけ朱色で追記すれば良いような様式を作りますよね。複写式の様式だったり、一枚の様式をミシン目で切り離したりするようなことを考えて、回答票にも必要事項が既に印刷されていれば、記載する側から見れば楽なんですけどね。

さらに驚いたのが、返信用封筒と回答票の大きさのアンバランス。返信用封筒が小さくて回答票が送られてきた三つ折状態からさらに折り返さないと入らないのです。
この大きさにすれば返信用郵便料金を低く抑えられるというならば、回答票もそれに合わせた大きさにすればよいのに。
修正がない人にはハガキ様式でも良いと思うのですけれどね。

こんなに封筒にきちんと織り込んだ書類を、社会保険庁の人が取り出すときに10秒余計にかかるとしたら、10秒×5千万人分÷3600=138,888時間。一ヶ月一人が168時間働くとして800人・月分のアルバイト代が余計にかかるのですね。
まあ、お役人には標準作業時間の感覚なんか無いか!

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送られてきた封筒です

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これが、ねんきん記録

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こちらは回答票。赤長丸の照会番号以外の欄は全て私達が書かなければなりません

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回答票は、返信用封筒からはみ出してしまいます